「エレベーターの保守料って、今の金額が普通なの?」――マンションやビルのオーナー様、管理会社のご担当者様から、よくいただくご質問です。
エレベーターの保守料は毎月かかる固定費ですが、比較する機会が少なく、契約したまま何年も見直していないケースが少なくありません。この記事では、保守契約の種類と料金の考え方、見直すときのチェックポイントを、エレベーター技術者の立場からわかりやすく解説します。
エレベーターの保守契約は大きく2種類
エレベーターの保守契約には、主に「フルメンテナンス(FM)契約」と「POG契約」の2種類があります。
フルメンテナンス(FM)契約
定期点検に加えて、契約で定められた範囲の部品交換や修理費用まで含まれる契約です。突発的な出費が起きにくく、毎年の費用を一定にしやすいのがメリットです。その分、月額料金は高めに設定されています。
POG契約
POGは「Parts(消耗部品)・Oil(油)・Grease(グリース)」の頭文字。定期点検と消耗品の交換・給油が含まれ、それ以外の部品交換や修理はその都度見積もりになる契約です。月額料金を抑えられるため、多くのマンション・ビルで選ばれています。
| フルメンテナンス(FM) | POG契約 | |
|---|---|---|
| 月額料金 | 高め | 抑えめ |
| 点検・調整 | 含まれる | 含まれる |
| 消耗品・給油 | 含まれる | 含まれる |
| 部品交換・修理 | 契約範囲内なら含まれる | その都度見積・別途費用 |
| 向いている建物 | 費用を毎年一定にしたい/使用頻度が高い | ランニングコストを抑えたい/比較的新しい機種 |
どちらが正解ということはなく、建物の築年数や使用状況、予算の考え方によって向き不向きがあります。
保守料に差が出る3つの理由
1. メーカー系か独立系か
エレベーターの保守会社には、製造メーカーのグループ会社(メーカー系)と、メーカーに属さない独立系があります。独立系はメーカーを問わず保守を行い、一般的にメーカー系より料金を抑えやすい傾向があります。
2. 契約の種類と点検頻度
FMかPOGか、点検を毎月行うか、2〜3か月に1回とするかによって料金は変わります。建物の使い方に対して、契約内容が過剰になっていないかがポイントです。
3. 法定検査の費用の扱い
エレベーターは建築基準法第12条に基づき、年1回の定期検査と報告が必要です。この法定検査の費用が月額に含まれているか、別途請求なのかで、見た目の月額は大きく変わります。比較するときは、月額だけでなく「法定検査費を含めた年間総額」で見ることが大切です。
保守契約を見直すときのチェックポイント
- 今の契約がFMかPOGか、契約書で確認する
- 法定検査の費用が月額に含まれているか確認する
- 点検頻度(毎月/2か月に1回など)が建物の使用状況に合っているか
- 緊急時(閉じ込め・故障)の対応体制と駆けつけ時間
- 部品交換が必要になったときの費用の考え方
- 解約時の予告期間(契約書に記載されていることが多い)
契約書や請求書を手元に用意しておくと、比較がスムーズです。
「安ければいい」ではなく、内容とのバランスで
保守料の見直しで大切なのは、金額だけで判断しないことです。緊急時の対応体制や点検の質、担当技術者との連絡のしやすさも、安全に関わる大切な要素です。
DATTOでは、比較の結果「今の契約のほうが建物に合っている」と判断した場合は、そのままお伝えしています。無理な切り替えをおすすめすることはありません。
まとめ
- エレベーターの保守契約は主に「FM」と「POG」の2種類
- 料金差は「メーカー系か独立系か」「契約内容・点検頻度」「法定検査費の扱い」で生まれる
- 比較は月額ではなく、法定検査費を含めた年間総額で
- 金額だけでなく、緊急対応や点検の質も含めて判断する
株式会社DATTOは、大阪を拠点に関西全域(大阪・京都・滋賀・兵庫・奈良・和歌山)でエレベーターの保守・点検・リニューアルを行う独立系の保守会社です。保守料の見直しや契約内容のご相談は、お問い合わせフォーム・LINE・お電話(06-7175-4114)からお気軽にどうぞ。